こんばんは、オダシです。
普段は大学病院の臨床検査技師として働きながら、医療系の大学院生(M2)をしています。
医療系のトピックや臨床検査、細胞検査について書いています。
最近はコロナウイルス関連の記事を書いていました。
国内でも、感染者が増加傾向にあり、臨床検査の需要は高まっています。
検査の是非には触れませんが、新型コロナウイルスに対するPCR検査の保険適用も今週中には始まる見込みとのことです。
「コロナウイルスにかかったかもしれない」と思ったらPCR検査を受けた方が良いのか?
コロナかもと思ったらやるべきことはこちら。
検査を受けるか判断する基準は様々です。「なんとなく不安だから受ける」というのも個人的にはありな選択だと思います。
一般的には検査の質を判断する基準はいくつかあります。
今回は、その中でも「感度」と「特異度」についてまとめていきます。
感度と特異度を理解しよう
どんな検査であっても、検査を受けようか考えるときには、その検査の特徴を理解して判断することが必要です。
検査の質を判断する基準で、基礎の部分が「感度」と「特異度」です。
具体例をつかって説明していきます。
Xというウイルスの検査キットがあります。
Xを使うと、「陽性」か「陰性」がわかります。
Xを実際に使ってみた結果を次の分割表.1に示します。

A、B、C、Dのカテゴリはこんな意味です。
- A:検査で陽性で、疾患もあった(真の陽性)
- B:検査で陽性だが、疾患はなかった(偽陽性)
- C:検査で陰性だが、疾患があった(偽陰性)
- D:検査で陰性で、疾患もなかった(真の陰性)
一般的に、良い検査とは、「その検査を受けると、疾患があるかどうかがわかるもの」です。
今回の検査でいえば、A(赤×赤)やD(青×青)に分類される人が多いことが、良い検査の基準の一つです。
じゃあ「感度」と「特異度」ってなんだ?
今回の検査でいえば
「感度」: 患者(疾患がある人)のうち、検査で陽性の人の割合 、つまりA/(A+C)
「特異度」:健常者(疾患がない人)のうち、検査で陰性の人の割合 D/(B+C)
となります。
理想的な検査は感度100%、特異度100%となることですが、実際に行うことは非常にむずかしいです…
じゃあ「感度」と「特異度」のどちらを優先するのか?
結論としては、検査の目的によります。
感度を重要視する検査の一つにがん検診があります。がんは早期発見が治療の第一歩です。患者を見逃さないために感度を上げるのです。
一方で、特異度を重要視する検査は、確定診断的な意味が強くなります。健常な人を健常ということは、言い換えると、陰性と言えないものは疾患の可能性が高いということになります。
まとめ
今回は、「感度」と「特異度」についてまとめてみました。
おさらいすると
- 感度: 患者(疾患がある人)のうち、検査で陽性の人の割合
- 特異度: 健常者(疾患がない人)のうち、検査で陰性の人の割合
です。
この記事が皆さんの役に立てば幸いです。
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