細胞診 臨床検査

細胞診と組織診の違いは?【細胞診】【臨床検査】

 

こんばんは、オダシです。

普段は大学病院の臨床検査技師・細胞検査士、医療系大学院生をやりながら、

医療系トピックや臨床検査、病理・細胞診、研究について書いています。

 

先日、まだ病理学を履修していない学部生の後輩から質問されました。

「細胞検査士養成課程に進みたいが、そもそも細胞診と組織診の違いが分かりません」

ということでした。

 

…院生は悲しい。

臨床検査を学ぶのであれば違いをぜひ知ってほしい。

 

そうはいっても、学んでいないことはわからないのは当然だなぁと

考えを改めました。

 

そこで今回は、細胞診と組織診の違いについて書いていきます。

 

疑問:細胞診と組織診の違いは?

 

皆さんは肺がん検診を受けられたことはあるでしょうか?

喀痰の中にある細胞を観察して、がんや異常細胞を見つける検査です。

 

人間ドックや社内検診で受けられることもあります。

 

検診を受けて、結果を受けとった時を想像してみてください。

 

結果が「陰性」であればとりあえず安心です。

次回の検診も受けましょう。

 

問題となるのは

「検診(細胞診)で異常が見られた」

という、結果だった時です。

 

この場合は病院での精密検査をすすめられます。

 

不安になって病院を受診したら、

 

「異常の原因の精査のため生検(組織診)を行いましょう」

 

と医師に言われるだろうと思います。

 

ここでふと疑問に感じると思います。

 

細胞診と組織診は似ている言葉だけど、何が違うんだ?

 

今回は、この疑問を解決していきます。

 

解説:細胞診と組織診の違いは?

「細胞診」と「組織診」の違いはこれです。

  • 目的の違い
  • 患者負担の違い
  • 所要時間の違い
  • 得られる情報の違い

それぞれについて肺がん検診を例にしてまとめていきます。

 

「細胞診」と「組織診」の目的の違い

それぞれの目的はこれです。

  • 「細胞診」:スクリーニング
  • 「組織診」:確定診断

検査自体の感度と特異度が目的の違いとして反映されています。

 

細胞診はスクリーニング検査(感度が高い方が良い)ですが、

組織診は確定診断(特異度が高い方が良い)です。

 

スクリーニング検査(細胞診)で疾患の高い人を見つけ出し、確定診断(組織診)で決着をつけるという流れです。

 

「細胞診」と「組織診」の患者負担の違い

それぞれの患者負担の違いはこれです。

  • 「細胞診」:喀痰を提出
  • 「組織診」:気管支鏡検査

細胞診は、喀痰(自然に出てくるもの)を提出するだけなので、患者の負担は軽いです。

組織診は、病変があるだろうという見立てをもとに、内視鏡を気道に挿入し、(半ば強引に)直接検体を採取するため非常に苦しい検査です。

 

「細胞診」と「組織診」の所要時間の違い

それぞれの所要時間の違いはこれです。

  • 「細胞診」:最短で当日
  • 「組織診」:最短二日(長い場合は一週間かかることも)

 

(病理部がその患者さんに対して全力を払う場合に限りますが…)

細胞診は患者さんが朝一で喀痰を提出した場合、

午前中のうちに細胞検査士が標本作製、鏡検を行い、

午後には細胞診専門医が診断することが可能です。

当日の夕方には診断報告書が臨床の医師に届きます。

 

しかし、組織診はこんなに早くはなりません。

組織診は細胞診に比べ、提出される検体が大きいため、

固定に最短一日ほどかかり、

標本作製から診断まででさらに一日を要します。

そのため、臨床の医師に診断報告書が届くまでには最短で二日以上かかるのです。

 

「細胞診」と「組織診」の得られる情報の違い

それぞれの得られる情報の違いはこれです。

  • 「細胞診」:組織型、由来臓器の推定が可能
  • 「組織診」:組織型、由来臓器の確定が可能

細胞診は、自然に排出された検体(喀痰など)に対して検査を行います。

そのため、検体の中にがんが見つかった場合、排出される経路全体が由来臓器としての可能性があります。

例えば、喀痰の中に扁平上皮癌が見つかった場合でも、その由来臓器が肺なのか、咽頭なのか、口腔なのか判断できないということです(推定はできますが…)。

 

一方で、組織診は疑わしい部位(肺など)から直接検体を取ってくるため、その部位が、がんかそうでないかを判断することができます。

 

まとめ:「細胞診」と「組織診」の違いは?

今回は「細胞診」と「組織診」の違いについてまとめました。

 

おさらいします。

「細胞診」と「組織診」の違いは

  • 目的の違い
  • 患者負担の違い
  • 所要時間の違い
  • 得られる情報の違い

です。

 

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こんばんは、オダシ(@OdaCM_T)です。 普段は大学病院の臨床検査技師、医療系の大学院生をやりながら、医療系トピックや臨床検査、病理・細胞診、研究について書いています。 4月に入り、新年度が始まり ...

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こんにちは、オダシです。 普段は大学病院の臨床検査技師、細胞検査士、医療系大学院生(D2)をしながら、医療系トピックや臨床検査、病理・細胞診、研究について書いています。   私は臨床検査技師 ...

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