こんばんは、オダシ(OdaCM_T)です。
この記事を書いているの私は、養成課程在籍時に 細胞検査士認定試験を、一回でパスしました。
その後、大学院に進学し、 後輩たちの研究や学習のバックアップを行っています。
学生たちから、こんな要望がありました。

というものです。
次の問題はこちら(2019年度 第52回 総論-3. 後腹膜臓器はどれですか)

目次
問題 総論-2 【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】

2.退行性病変はどれですか.
A.壊死 1.A.B
B.アポトーシス 2.A.E
C.再生 3.B.C
D.過形成 4.C.D
E.化生 5.D.E
解答は1. A.B です。
問題のポイント(2020.7.5追記)
この問題のポイントは「疾患の分類」です。

国家試験でも出題されるため、
まとめて覚えてしまいましょう。
続いて解説していきます。
疾患の分類をしろう

疾患は大きく7つに分類されます。
疾患の分類についての詳細な解説は後日行います。
今回問題として扱われている退行性病変や進行性病変は組織細胞障害・修復機構に含まれます。
それではさらに細分化していきましょう
組織細胞障害・修復機構の分類
組織細胞障害・修復機構は以下のように分類されます。
- 変性
- 退行性病変
- 進行性病変
- 修復機構
組織細胞障害は程度の大小から、可逆的・非可逆的に分けられる。
変性は可逆的障害、退行性・進行性病変は非可逆的障害であり、その障害を修復するのが修復機構である。
変性
変性は、壊死に至らない程度の細胞・組織構造と代謝の可逆的な障害である。
細胞自体は死んでいないが、細胞内の代謝が正常に機能していない状態である。
脂肪変性や粘液変性、硝子滴変性などがある。
退行性病変
退行性病変は、障害の作用によって細胞の機能が低下ないしは停止し、細胞が死に至るまでの非可逆的変化である。
退行性病変には、壊死、アポトーシス、萎縮、低形成が含まれる。
壊死
壊死は細胞が局所的に死んでいる状態で、強い障害によって起きる。
一般的に、炎症を伴いながら、細胞膜の破綻、細胞質の好酸化・顆粒化・無構造化、核の融解濃縮・崩壊など変化がみられる。
大半が凝固壊死であり、中には融解壊死、壊疽、特殊なものでは乾酪壊死や脂肪壊死に分けられる。
アポトーシス
アポトーシスは壊死とは異なり、個体発生や機能分化のために遺伝子内にプログラムされた細胞死である。
一般的に、炎症は伴わず、核の断片化が起きアポトーシス小体が形成されたのち、マクロファージがそれらを処理する。
萎縮
萎縮は、細胞の体積が減少している状態である。
一般に、萎縮した細胞は正常細胞に比べ細胞の機能が弱い。
注意点としては、細胞一つ一つの体積が減ることであり、細胞の数自体は変化しないことである。
低形成
低形成は、細胞の数が減少している状態である。
一般に、正常細胞と機能は変わらないが、数が少ないために臓器として十分な働きはない。
注意点としては、細胞の数が減ることであり、細胞の体積は変化しないことである。
進行性病変
進行性病変は、障害の作用によって細胞の機能が亢進し、細胞が大型化、増加する非可逆的変化である。
進行性病変には、肥大、過形成が含まれる。
肥大
肥大は、細胞の体積が増加する状態である。
一般に、臓器に負荷がかかると、その臓器が肥大する。
注意点として、細胞の体積は増えるが数は変化しない。
過形成
過形成は、細胞の数が増える状態である。
一般に、炎症やホルモンの作用によって、細胞数が増加する。
注意点として、細胞の体積は変化しない。
修復機構
修復は、障害の作用による壊死部分の機能を回復させるための機能である。
修復機構には、化生、過再生が含まれる。
化生
化生は分化した組織が、別の組織へ再分化することである。
一般的には、上皮系は他の上皮系へ、間葉系は他の間葉系へ化生する。
注意点として、化生の結果できる組織は元の組織とは性質が異なることである。
再生
再生は、障害された組織が元と同じ組織によって修復されることである。
一般には、障害前後で再生される組織に違いはないが、再生能力は個々の細胞の性質に依存する。
注意点として、元の組織と同じ性質をもつことである。
まとめ:問題 総論-2 【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】
今回は「第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記 問題 総論-2」についてまとめてきました。 おさらいします。
- 問題のテーマは「疾患の分類」
- 基礎的な知識は早めに身に着けよう
- 退行性病変には壊死、アポトーシス、萎縮、低形成がある
- 進行性病変には肥大、過形成がある
皆さんが、一次試験を無事突破することを願っています。