
こんばんは、オダシ(@OdaCM_T)です。
この記事を書いているの私は、養成課程在籍時に 細胞検査士認定試験を、一回でパスしました。
その後、大学院に進学し、 後輩たちの研究や学習のバックアップを行っています。
学生たちから、こんな要望がありました。

というものです。
前の問題はこちら(2019年度 第52回 総論-10.癌抑制遺伝子と関連疾患で誤っている組み合わせはどれですか)
次の問題はこちら(2019年度 第52回 総論-12.細胞周期で誤っているものはどれですか)

問題 総論-11【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】

11.誤っている組み合わせはどれですか
A.Negri小体 ― 日本脳炎 1.A.B
B.Lewy小体 ― アルツハイマー型認知症 2.A.E
C.Russel小体 ― 形質細胞腫 3.B.C
D.Schaumann小体 ― サルコイドーシス 4.C.D
E.Mallory小体 ― アルコール性肝炎 5.D.E
解答は1. A.B です。
この問題のポイントは「特徴的な小体(細胞所見)の把握」です。
解説していきます。
特徴的な小体

過去には「微生物と細胞像の関連」や「腫瘍に特徴的な細胞像」といった問題も出されており、芋づる式に覚えるとよいです。
この記事では、過去問に出題された「小体と関連疾患」についてまとめていきます。

細胞診を勉強していくうえで知っておくべき小体はこれらです。
- Apitz小体(核内細胞質封入体) ― 悪性黒色腫
- Call - Exner body(二次卵胞内の構造物) ― 顆粒膜細胞腫
- Lewy小体(細胞質封入体) ― パーキンソン病、レビー小体型認知症
- Michaelis-Gutmann小体(マクロファージ) ― マラコプラキア
- Negri小体(細胞質封入体) ― 狂犬病
- Russel body、Dutcher body(PAS陽性物質) ― 多発性骨髄腫
- Shaumann小体(石灰化物質)、星状小体(アルコール硝子体) ― サルコイドーシス
- Schiller-Duval body(糸球体状構造物) ― 卵黄嚢腫瘍
- アウエル小体(針状の細胞質内構造物) ― 前骨髄球性白血病
- マロリー小体(細胞質内封入体) ― 高分化型肝細胞癌、アルコール性肝炎
この10個だけ覚えておけばOKです
第53回の問題はすでに完成していると思われますが、
先日国内で狂犬病の感染者が出たというニュースがありました。
国家試験のSFTS出題の前例があるので、
細胞診で狂犬病が関連する部分は知っておいてもよいでしょう(2020.6.16追記)
今回の選択肢を振り返りますと、
A.Negri小体 ― 日本脳炎
B.Lewy小体 ― アルツハイマー型認知症
の選択肢が誤りとなります。
小体を含め、特定の細胞所見は細胞診断の肝になります。
教科書的な所見は把握しておきましょう。
まとめ:問題 総論-11【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】
今回は「第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記 問題 総論-11」についてまとめてきました。
おさらいします。
- 問題のテーマは「特徴的な小体(細胞所見)の把握」です
- 疾患に特異的な細胞所見の「小体」を頭に入れておきましょう
皆さんが、一次試験を無事突破することを願っています。