こんばんは、オダシ(@OdaCM_T)です。
この記事を書いているの私は、養成課程在籍時に 細胞検査士認定試験を、一回でパスしました。
その後、大学院に進学し、 後輩たちの研究や学習のバックアップを行っています。
学生たちから、こんな要望がありました。

というものです。
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目次
問題 総論-18【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】

18.梗塞について誤っているものはどれですか
1.貧血性梗塞は、単一動脈性の閉塞が起きた時に出現する
2.血管の二重支配を受けている臓器では出血性梗塞が生じる
3.腎臓は出血性梗塞を起こしやすい
4.小腸や大腸は出血性梗塞を起こしやすい
5.深部静脈血栓症は肺梗塞の原因となる
解答は3です。
こういった病理総論的な問題は少数ですが、
例年出題されるため、基礎は押さえておきましょう。
本問のポイント
この問題のポイントは「梗塞の概念の把握」です。

梗塞の概念
梗塞とは、
終動脈が閉塞、支配領域で虚血が生じ、
組織が、酸欠や栄養欠乏に陥り、
限局性の壊死を生じた状態です。
言い換えると、
壊死の一つの状態ということです。
梗塞にはいくつか分類があります。
細胞診に限らず病理業務全般では
肉眼所見と合わせて知っておくと
役立ちますので、この機会に学びましょう。
基本的に、梗塞は肉眼所見によって
- 貧血性(虚血性)梗塞
- 出血性梗塞
以上の二つに分類されます。
また、
梗塞の生じた時期によって
- 新鮮梗塞
- 陳旧性梗塞
以上の二つに分類されます。
それぞれ解説していきます
貧血性(虚血性)梗塞
貧血性梗塞は、心臓や脳、腎臓、脾臓でみられやすいです。
梗塞に陥った臓器が白色に見えるため、
白色梗塞とも呼ばれます。
出血性梗塞
出血性梗塞は肺や肝臓、腸、精巣・卵巣のように
血管の二重支配を受ける臓器にみられやすいです。
梗塞に陥った臓器が赤色に見えるため、
赤色梗塞とも呼ばれます。
新鮮梗塞
うっ血や浮腫、出血によって梗塞が起きた早期の段階。
臓器自体が出血により腫脹、膨化していく状態。
陳旧性梗塞
新鮮梗塞から移行し、肉芽組織が生じてくる状態。
問題解説 総論-18【第52回細胞検査士認定試験 一次筆記試験】

18.梗塞について誤っているものはどれですか
1.貧血性梗塞は、単一動脈性の閉塞が起きた時に出現する
2.血管の二重支配を受けている臓器では出血性梗塞が生じる
3.腎臓は出血性梗塞を起こしやすい
4.小腸や大腸は出血性梗塞を起こしやすい
5.深部静脈血栓症は肺梗塞の原因となる
この問題は、
梗塞について上記の知識があれば
問題なく3の選択肢を選ぶことができます。
軽く訂正しますと
腎臓は貧血性の梗塞を起こしやすい
です。
まとめ:問題 総論-18【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】
今回は「第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記 問題 総論-18」についてまとめてきました。
おさらいします。
- 問題のテーマは「梗塞の概念の把握」です
- 過去10年間で複数回出題されているテーマです
- 病理業務では必要な知識なので覚えておきましょう
皆さんが、一次試験を無事突破することを願っています。