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細胞診 臨床検査

【必要な技術】細胞診標本における検体処理 問題解説 技術-4【第52回 細胞検査士認定試験 一次筆記試験】(2020.8.10追記)

こんばんは、オダシ(@OdaCM_T)です。

普段は大学病院の臨床検査技師、医療系大学院生(D1)をしながら、医療系トピックや臨床検査、病理・細胞診、研究について書いています。

この記事を書いているの私は、養成課程在籍時に

細胞検査士認定試験を、一回でパスしました。

 

その後、大学院に進学し、

後輩たちの研究や学習のバックアップを行っています。

 

学生たちから、こんな要望がありました。

一次試験の対策を始めたのですが、この知識で十分なのか分からないので解説してほしい。
男子学生
男子学生

というものです。  

 

前の問題はこちら(2019年度 第52回 技術-3.液状化検体細胞診(LBC)について正しいものはどれですか)  

 

次の問題はこちら(2019年度 第52回 技術-5.超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引細胞診(EUS-FNAC)について誤っているものはどれですか)  (2020.8.10追記)

 

オダシ
オダシ
さっそく解説していきます

 

問題 技術-4【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】

オダシ
オダシ
問題文を見ていきましょう

4.検体処理について誤っているものはどれですか。

 

A.喀痰は血痰部を優先して作製する                                

B.乳腺穿刺吸引細胞診は腫瘍辺縁を穿刺した方がよい                                     

C.体腔液で粘稠性が高い検体は引きガラスを早く引く                                    

D.体腔液で粘調性が低い検体は引きガラスの角度を低くする                                    

E.穿刺吸引後は注射筒から針を外して空気を入れ、スライドガラスに吹き付ける

                                     

 

選択肢は

  1. A, B
  2. A, E
  3. B, C
  4. C, D
  5. D, E  

で、解答は4. C, Dです。

 

細胞検査士にとって、

検体処理は欠かせない操作です。

検体に対して適切な処理を行うことは、

判定に直結します。

本問のポイント

この問題のポイントは「検体処理のポイント」です。

オダシ
オダシ
2020年度は細胞検査士認定試験の二次試験で手技がなくなりましたが、検体処理や標本作製は技師のウデの見せどころです。基本は押さえておきましょう

検体処理のポイント

検体処理のポイントには、細胞検査士会から

マニュアルが示されているものがあります、

試験前には確認するようにしましょう。  

 

マニュアルは三種類です

 

この三つは確認するようにしましょう。  

 

補足としては細胞診のガイドラインや書籍を

参考にするとよいでしょう。  

 

オダシ
オダシ
今回の問題では、喀痰、穿刺吸引、体腔液について問われているので、この3つを解説していきます

喀痰

喀痰の採取は、夾雑物(食物残渣など)が入らないよう

起床後、朝食前が望ましいタイミングです。

 

喀痰細胞診の検出率は3~4割程度のため、

数日連続採取することが推奨されます。

 

喀痰はサンプリングに性状確認が含まれるため、

透明容器で提出してもらうことが望ましいです。

特に白色不透明の容器は性状把握が困難のため、

シャーレなどへ移して観察を行います。

 

喀痰のサンプリングは

  • ピンセットを用いる
  • スライドガラスの縁を用いる

の2つの方法がメジャーかと思います。

 

採取する部位の優先順位は

  1. 血痰部分(血液との境界部分)
  2. 粘稠性部分(ゼリー状)
  3. 無色透明~透明様白色部分(片栗粉状)
  4. 透明様黄色~黄白色部分
  5. 黄色膿性部分
  6. その他

という順で推奨されています。

 

癌細胞がいる可能性の高いところが、

優先になります。

優先順位が高いところから、

3か所以上のサンプリングを行いましょう。

 

サンプリング後は、

速やかに圧挫、すり合わせを行い、

直ちに、固定します。

 

時期が近づいたころに、動画を上げる予定です。

(手技は実施されませんが、必要な技能なので)

 

 

オダシ
オダシ
細かい注意点やコツについては後日追記を行います

 

穿刺吸引

 穿刺吸引は、適応病変に対して

実施することが大切です。

禁忌症例でないことは事前の検討が必要です。

 

穿刺自体を技師が行うことは不可能ですが、

吸引操作は技師が行うことも多いです。

注意事項は押さえておきましょう。

 

穿刺吸引は、エコーガイド下で観察を行いながら、

細胞採取を行うため、有効性が高いです。

 

乳腺における穿刺箇所の注意点として、

腫瘤が大きい場合は、中心部は壊死や瘢痕化により、

吸引しても診断に有用な検体は取れにくいです。

腫瘤の周辺部分から検体が取れるように

操作を行います。

 

吸引後は、陰圧を解除し、抜針します。

注射筒から針を外し、空気を入れた後、

針を再度取り付け、スライドガラス上

に吹き付けます。

このとき、吹き付けによる乾燥や陰圧状態での

針の移動に注意しましょう。

 

オダシ
オダシ
乳腺以外に対する穿刺吸引については後日追記します

 

体腔液

体腔液はその採取箇所によって、

胸水や心嚢液、腹水となりますが、

今回は一括りにして解説します。

 

体腔液を採取するときには、

細胞が下に沈殿しているため、体位を変換して

検体を採取します。

炎症性反応によりフィブリンが析出する

可能性があるため、抗凝固剤を用いる事もあります。

 

体腔液においては、

肉眼的観察が非常に重要です。

特に、

  • 液量
  • 色調
  • 粘稠性の有無
  • 混濁の有無
  • フィブリン析出の有無
  • 性状(血性や膿性など)の確認

は重要になってきます。

 

性状確認後、遠心を行い、引きガラス法にて

塗抹を行います。

 

塗抹は検体の粘稠性に応じて手技を調整します。

粘稠性が高い場合は、引きガラスの角度を小さくし、

ゆっくりと引きます。

逆に、

粘稠性が低い場合は、引きガラスの角度を大きくし、

早く引くことで、きれいな標本を作製することが可能。

 

二次試験の手技対策としては、

いろいろな注意点がありますが、

  • 検体をバッフィーコートから採取する
  • 引き終わりを作る

は徹底しておきましょう。

 

オダシ
オダシ
喀痰と同様、後日手技の動画を上げる予定です

 

 

問題解説 技術-4【第52回細胞検査士認定試験 一次筆記試験】

オダシ
オダシ
今回の選択肢を振り返ってみます

4.検体処理について誤っているものはどれですか。

 

A.喀痰は血痰部を優先して作製する                                

B.乳腺穿刺吸引細胞診は腫瘍辺縁を穿刺した方がよい                                     

C.体腔液で粘稠性が高い検体は引きガラスを早く引く                                    

D.体腔液で粘調性が低い検体は引きガラスの角度を低くする                                    

E.穿刺吸引後は注射筒から針を外して空気を入れ、スライドガラスに吹き付ける

                                     

 

選択肢は

  1. A, B
  2. A, E
  3. B, C
  4. C, D
  5. D, E  

で、解答は4. C, Dです。

 

この問題は、検体処理の基礎をおさえておけば問題ありません。  

選択肢の中で、

C.体腔液で粘稠性が高い検体は引きガラスを早く引く           

D.体腔液で粘調性が低い検体は引きガラスの角度を低くする  

は粘稠性に対しての手技が反対になっている点が

誤りですね。

 

まとめ:問題 技術-2【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】

今回は「第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記 問題 技術-4」についてまとめてきました。 おさらいします。

  • 問題のテーマは「検体処理のポイント
  • 過去10年間で複数回出題されているテーマです
  • 細胞検査士にとって欠かせない知識です

皆さんが、一次試験を無事突破することを願っています。

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