こんばんは、オダシ(@OdaCM_T)です。
この記事を書いているの私は、養成課程在籍時に
細胞検査士認定試験を、一回でパスしました。
その後、大学院に進学し、
後輩たちの研究や学習のバックアップを行っています。
学生たちから、こんな要望がありました。

というものです。
前の問題はこちら(2019年度 技術-9.Papanicolaou染色について正しいものはどれですか)
次の問題はこちら(2019年度 技術-11.ホルムアルデヒドについて正しいものはどれですか) (2020.8.18追記)

目次
問題 技術-10【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】

10.次のうち正しいものはどれですか。
- キシレンやメタノールは第2種有機溶剤に該当する
- 血液の付着した注射針は赤色のバイオハザード容器に廃棄する
- 感染症の記載がなければ標準予防策はとらない
- インシデントに対して対策を講じる必要はない
- スクリーニング判定陰性症例の1%をダブルチェックすることが推奨されている
解答は1.です。
この手の問題は、
例年出題されますが、
個々の知識ではあまり
問題として出題されません。
病理業務における周辺知識は
細胞検査士にも求められ、
他の資格を受験する際にも
必要な知識なのでこの機会に
おさえておきましょう。
本問のポイント
この問題のポイントは「病理業務の周辺知識」です。

病理業務の周辺知識
病理業務に携わる上で、
必要な周辺知識は
上げたらキリがありません。
必要に応じて追記していきます。
とりあえず、今回は選択肢にある
- 代表的な有機溶剤
- バイオハザード容器の種類
- 標準感染予防策の基本
- インシデントへの対応
- スクリーニング判定陰性症例の取り扱い
について、おさえておきましょう。

代表的な有機溶剤
有機溶剤はその性質によって、
第1種~第3種に分類されます。
細かな指針は厚生労働省から
という冊子で示されています。
病理業務で関連する有機溶剤は、
- 第1種:
- クロロホルム
- 第2種:
- アセトン
- イソプロピルアルコール
- キシレン
- ジメチルホルムアミド
- メタノール
といったところでしょうか。
業務の中で覚えていくものなので、
養成課程などから受験する方は
意識して覚えていく必要があります。
バイオハザード容器の種類
バイオハザードマークは
色によって中の廃棄物を判断します。
-
- 赤色:血液などの液状、泥状のもの
- 黄色:注射針、メスなどの鋭利なもの
- 橙色:血液が付着したガーゼなど固形状のもの
これは覚えるしかありません。
日常業務でも必要な知識なので、
身に着けてしまいましょう。
標準感染予防策の基本
日本救急医学会では、
標準感染予防策(スタンダードプレコーション)は、
全ての患者・医療従事者に適応され、
病原微生物の感染源確認の有無にかかわらず、
血液、すべての退役、汗を除く分泌物、
排泄物、傷のある皮膚、そして粘膜が
感染原因になるという考えに基づく
と記載されています。
予防策としては、
-
- 手洗い
- 手袋
- マスク・ゴーグル
- ガウン
- 器具交換
- リネン交換
などが行われます。
インシデントへの対応
インシデントは、
- 患者には実施されなかったが、仮に実施されたとすれば何らかの被害が予測される場合
- 患者に実施されたが、結果的に被害がなく、またその後の観察も不要であった場合
を指しており、
医療事故に分類される、
アクシデントとは異なります。
インシデントが起こった際には、
再発防止のために、インシデントレポートの
集積、改善が必要です。
スクリーニング判定陰性症例の取り扱い
スクリーニング判定陰性症例の取り扱い
については、臨床細胞学会から
が出されています。
この会告に従いますと、
スクリーニング判定が陰性の症例の
10%以上を、報告前に他の有資格者
による、再スクリーニングが必要です。
問題解説 技術-10【第52回細胞検査士認定試験 一次筆記試験】

10.次のうち正しいものはどれですか。
- キシレンやメタノールは第2種有機溶剤に該当する
- 血液の付着した注射針は赤色のバイオハザード容器に廃棄する
- 感染症の記載がなければ標準予防策はとらない
- インシデントに対して対策を講じる必要はない
- スクリーニング判定陰性症例の1%をダブルチェックすることが推奨されている
解答は1.です。
選択肢の中で、
2.血液の付着した注射針は赤色のバイオハザード容器に廃棄する
は、針などの鋭利物は
黄色のバイオハザード容器に
廃棄するため、誤った選択肢です
3.感染症の記載がなければ標準予防策はとらない
は、感染症の有無にかかわらず、
標準感染予防策はとることが必要なので、
誤った選択肢です
4.インシデントに対して対策を講じる必要はない
は、インシデントは発生後、再発を防ぐため、
インシデントレポートを作成するため、
誤った選択肢です
5.スクリーニング判定陰性症例の1%をダブルチェックすることが推奨されている
は、スクリーニング判定陰性の症例の
10%以上をダブルチェックすることが
推奨されているため、誤った選択肢です
まとめ:問題 技術-10【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】
今回は「第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記 問題 技術-10」についてまとめてきました。
おさらいします。
- 問題のテーマは「病理業務の周辺知識」
- 病理業務を遂行する上で必要な知識は多いです
- 突き詰めるとキリがありませんが、最低限は押さえておきましょう
皆さんが、一次試験を無事突破することを願っています。