こんばんは、オダシ(@OdaCM_T)です。
この記事を書いているの私は、養成課程在籍時に
細胞検査士認定試験を、一回でパスしました。
その後、大学院に進学し、
後輩たちの研究や学習のバックアップを行っています。
学生たちから、こんな要望がありました。

というものです。
前の問題はこちら(2019年度 技術-10.次のうち正しいものはどれですか)
次の問題はこちら(2019年度 技術-12.顕微鏡について誤っているものはどれですか)(2020.8.20追記)

目次
問題 技術-11【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】

11.ホルムアルデヒドについて正しいものはどれですか。
- 腎機能に対する障害はない
- 管理濃度は0.01ppmである
- 発がん性は指摘されていない
- 1年に1回の作業環境測定を行う義務がある
- 化学物質過敏症の原因の一つとされている
で、解答は5. です。
固定液としてのホルマリンは、
病理業務から切り離せません。
本問のポイント
この問題のポイントは「ホルムアルデヒドの取り扱い」です。

ホルムアルデヒドの取り扱い
ホルムアルデヒドについて 押さえておくべき知識は
- 規制されている法律・政省令
- ホルムアルデヒドの管理濃度
- ホルムアルデヒドの影響
です。
これらの項目は確認しておきましょう。

規制されている規則・法律
ホルムアルデヒドが規制されている
代表的な規制・法律は
- 「特定化学物質障害予防規則」:第2類
- 「毒物および劇物取締法」:毒物
- 「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」
です。
特に、特定化学物質障害予防規則の第2類に
規制されていることは知っておきましょう。
6か月以内毎に一回、作業環境測定を
行い、記録を30年間残す必要があります。
また、6か月以内に一度健康診断を
行う必要があります。
臨床においても規則・法律の
知識は必要です。
度々の法改正もありますが、
それも含め、知識のアップデートを
していきましょう。
ホルムアルデヒドの管理濃度
「特定化学物質障害予防規則」によって
ホルムアルデヒドの管理濃度は0.1ppm
と規定されています。
ホルムアルデヒドの影響
ホルムアルデヒドは
毒物および劇物取締法によって毒物
に指定されており、人体への影響が
あることを知っておきましょう。
具体的には
- 0.2ppm:微かな臭気を感じる
- 0.5ppm:明らかな臭気を感じる
- 1~2ppm:目や鼻に刺激を感じる
- 3~5ppm:目や鼻、喉に強い刺激を感じ、長時間の滞在が不可能
- 10ppm~:呼吸困難
といった症状が出ます。
臭気を感じるレベルが0.2ppm
なので、管理濃度は0.1ppm以下
となっています。
その他、臓器への障害や発がん性も
あるため、注意が必要です。
また、有害物質を含有する家庭用品の
規制に関する法律によって、
化学物質過敏症の原因の一つと
指摘されています。
問題解説 技術-11【第52回細胞検査士認定試験 一次筆記試験】

11.ホルムアルデヒドについて正しいものはどれですか。
- 腎機能に対する障害はない
- 管理濃度は0.01ppmである
- 発がん性は指摘されていない
- 1年に1回の作業環境測定を行う義務がある
- 化学物質過敏症の原因の一つとされている
で、解答は5. です。
この問題は、ホルムアルデヒドの
臨床知識を詰め込んだ問題となっています。
選択肢の中で、
1.腎機能に対する障害はない
は、ホルムアルデヒドの影響の一つに
腎機能障害が指摘されているため、
誤った選択肢です。
2.管理濃度は0.01ppmである
は、特定化学物質障害予防規則によって
ホルムアルデヒドの管理濃度は0.1ppm
と規定されているため、誤った選択肢です。
3.発がん性は指摘されていない
は、選択肢の1と同様に、発がん性が
指摘されているため、誤った選択肢です。
4.1年に1回の作業環境測定を行う義務がある
は、選択肢の2と同様、
特定化学物質障害予防規則によって、
6か月以内に一度の作業環境測定が
義務付けされているため、誤った選択肢です。
まとめ:問題 技術-11【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】
今回は「第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記 問題 技術-11」についてまとめてきました。
おさらいします。
- 問題のテーマは「ホルムアルデヒドの取り扱い」
- 病理業務とは切り離せないテーマです。
- 病理に携わる技師には不可欠な知識です
皆さんが、一次試験を無事突破することを願っています。