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【実はマイナー⁉】真菌に対する特殊染色 問題解説 技術-15【第52回 細胞検査士認定試験 一次筆記試験】

こんばんは、オダシ(@OdaCM_T)です。

普段は大学病院の臨床検査技師、医療系大学院生(D1)をしながら、医療系トピックや臨床検査、病理・細胞診、研究について書いています。

この記事を書いているの私は、養成課程在籍時に

細胞検査士認定試験を、一回でパスしました。

 

その後、大学院に進学し、

後輩たちの研究や学習のバックアップを行っています。  

 

学生たちから、こんな要望がありました。

一次試験の対策を始めたのですが、この知識で十分なのか分からないので解説してほしい。
男子学生
男子学生

というものです。  

 

前の問題はこちら(2019年度 技術-14.染色法で誤っている組み合わせはどれですか)

次の問題は  

オダシ
オダシ
さっそく解説していきます

 

目次

問題 技術-15【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】

オダシ
オダシ
問題文を見ていきましょう

15.真菌の染色法として誤っているものはどれですか。

  1. Grocott染色
  2. PAS反応
  3. Lactophenol cotton blue染色
  4. Bestのcarmine染色
  5. Gimenez染色

で、解答は5. です。

 

病理業務において、

細菌感染を疑う場合には、

複数の特殊染色を併用します。

 

まとめて覚えてしまいましょう。

 

本問のポイント

この問題のポイントは「真菌に対する特殊染色」です。

オダシ
オダシ
細菌感染が疑われる場合には、グラム染色などと合わせて染色を実施します

真菌に対する特殊染色

 今回解説する内容はくしくも、

先日挙げたこちらの記事

 

の病原体に対する特殊染色

で列挙したものを押さえておけば十分です。

 

一応、おさらいしますと、

病原体の染色は、

目的とする病原体の種類に応じて、

行う染色を選択します。

対象となる病原体には、

  • 赤痢アメーバ
  • 一般細菌
  • 抗酸菌
  • Helicobacter pylori
  • 梅毒スピロヘータ
  • 真菌
  • 肝炎ウイルス

などがあり、それぞれを目的とする特殊染色は、

赤痢アメーバ

  • PAS染色
  • グリドレイのアメーバ染色

 

一般細菌

  • グラム染色
  • レフレルのメチレンブルー染色

 

抗酸菌

  • チール・ネルゼン染色
  • 原田法

 

Helicobacter pylori

  • ギムザ染色
  • ワルチンスターリー染色

 

梅毒スピロヘータ

  • ワルチンスターリー染色

 

真菌

  • グロコット染色
  • グリドリー染色
  • Mucicarmine染色
  • PAS染色
  • ラクトフェノールコットン染色
  • ベストのカルミン染色

 

肝炎ウイルス

  • オルセイン染色
  • ビクトリアブルー染色
  • アルデヒド・フクシン染色

 

などがあります。

 

本問に関しては、

赤文字の知識だけで十分でした。

 

問題解説 技術-15【第52回細胞検査士認定試験 一次筆記試験】

オダシ
オダシ
今回の選択肢を振り返ってみます

15.真菌の染色法として誤っているものはどれですか。

  1. Grocott染色
  2. PAS反応
  3. Lactophenol cotton blue染色
  4. Bestのcarmine染色
  5. Gimenez染色

で、解答は5. です。

前述のとおり、この問題は、

過去のこちらの記事の

知識を押さえておけば問題ありません。

 

選択肢の中で、

5.Gimenez染色

は、教科書的にはGram染色で染まりにくい

Legionella pneumophilaを染めるため誤った選択肢です。

 

補足としてですが、

Gimenez染色はL. pneumophilaに特異的ではなく、

Bartonella属も染色されることも

知っておくとよいでしょう。

 

まとめ:問題 技術-15【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】

今回は「第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記 問題 技術-15」についてまとめてきました。 おさらいします。

  • 問題のテーマは「真菌に対する特殊染色
  • 細菌感染を疑う時には複数の特殊染色を実施する
  • 目的を把握すると業務が効率よくなります

皆さんが、一次試験を無事突破することを願っています。

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こんにちは、オダシ(@OdaCM_T)です。 普段は臨床検査・病理・細胞診関連の大学教員をしながら、医療系トピックや臨床検査、病理・細胞診、研究について書いています。   私は臨床検査技師の ...

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