こんばんは、オダシです。
この記事を書いているの私は、養成課程在籍時に 細胞検査士認定試験を、一回でパスしました。
その後、大学院に進学し、 後輩たちの研究や学習のバックアップを行っています。
学生たちから、こんな要望がありました。
というものです。
前の問題はこちら(2019年度 第52回 総論-5. 免疫組織化学で核に陽性所見を示すものはどれですか)
次の問題はこちら(2019年度 第52回 総論-7.リンパ球浸潤を伴う腫瘍はどれですか)
目次
問題 総論-6 【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】
6.間質性粘液を有するものはどれですか.
A.多形腺腫 1.A.B
B.濾胞腺腫 2.A.E
C.粘表皮癌 3.B.C
D.印環細胞癌 4.C.D
E.腺様嚢胞癌 5.D.E
解答は2. A.E です。
この問題のポイントは「粘液の分類」です。
解説していきます。
粘液の分類
粘液を細かく分類していくとキリがありません。
細胞検査士試験や臨床検査技師国家試験レベルの
問題を解くときに必要な最低限の知識を身に着けましょう。
粘液を染め上げる際に使う特殊染色の違いを知ることが、
粘液の性質を理解するための近道になります。
粘液の特殊染色
粘液を染め上げる特殊染色は種類がいくつかあります。
染色原理やプロトコルについての解説は後日行います。
上皮性粘液
- ムチカルミン染色
- PAS染色(例外あり)
以上の特殊染色が頭に入っていれば大丈夫です。
今回の問題では、
B.濾胞腺腫
C.粘表皮癌
D.印環細胞癌
の選択肢がPAS染色陽性となり、
間質性粘液ではないと言えます。
間質性粘液
- アルシアンブルー染色
- トルイジンブルー染色(pHにより様々)
- コロイド鉄染色
- ギムザ染色(メタクロマジーを示す)
以上の特殊染色が頭に入っていれば大丈夫です。
今回の問題では、
A.多形腺腫
E.腺様嚢胞癌
の選択肢で、ギムザ染色でのメタクロマジー
が観察され、間質性粘液と判断できます。
上皮細胞の種類に比べ、間質細胞の種類の方が多いため、
間質性粘液の種類が多くなり、必然的に間質性粘液を
証明する特殊染色の種類も多くなります。
まとめ:問題 総論-6 【第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記】
今回は「第52回細胞検査士認定試験 一次試験筆記 問題 総論-6」についてまとめてきました。 おさらいします。
- 問題のテーマは「粘液の分類」です
- 基礎的な知識は早めに身に着けよう
- 粘液の違いは特殊染色と組み合わせて覚えよう
皆さんが、一次試験を無事突破することを願っています。